喋々喃々 (2009/02/03) 小川 糸 商品詳細を見る |
最近活字離れが著しかったので、復帰すべく連続で本を読んでます。
谷中でアンティーク着物のお店を構える30代女性のお話。
あたしは着物も谷根千エリアにも全く詳しくないので、
物語の中の描写もさして気にならず、ホンワカ小説としてすんなり読みました。
主人公の暮らしぶりがいかにもなオシャレで
oz とか Hanako の小説バージョンとでもいいますか、そんな雰囲気。
そんな暮らしに憧れるナントカ女子をターゲットにした小説だね。
主人公のお相手が妻子持ちで、そのくせやたら二人の関係が爽やかで
amazonでは酷評されてますね。
そーゆー十字架を背負わせてる割には、二人(特に男の方)に緊迫感が皆無。
不倫にする必要性は全くないよなー、って思った。普通の恋愛で十分じゃん。
雑誌感覚で雰囲気に浸りたいときにオススメな作家さんなのかもね。
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夜の公園 (中公文庫) (2009/04) 川上 弘美 商品詳細を見る |
リリの生き方って素敵だなー、と思いました。
春名とリリなら、あたしはリリのように生きたい。
でも、リリほどの強さは持ってないから、
春名まで行かなくても、中途半端にフラフラしてしまいそうになるのですね。
ま、普通はそんなもんじゃないか。
実は川上弘美作品は(きっと)初めて読んだんですが、
文章が結構好きなタイプだった。
でも、恋愛にどっぷりの書き手さんなのだなぁ、という印象が一番です。
惚れたはれた、くっついた離れたで何冊も本が書けるなんてすごいや。
恋愛っていろんな形があるんですね。
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永遠の出口 (2003/03) 森 絵都 商品詳細を見る |
1人の少女の小学生から大人になるまでを切り取った作品。
突出した何かがあるわけじゃない、等身大の女の子の話。
主人公の紀子も魅力的だったけど、
それ以上に彼女を取り囲む友人たちがステキでした。
フランス料理屋さんのバイトの人(名前忘れたー)の颯爽とした生き方、
特に素敵です。
一つ思った事と言えば、
悪くなかったけど、中学生で非行に走るくだりは不要なんじゃないの??
と思うのはそういう経験がないから共感出来ないだけなんでしょうね。
最終章が一番オススメです。
あたしは恋愛にそこまでのめり込めないクチですが、
きっと世の高校生くらいの女の子たちは、こういう気持ちで日々を過ごしているのでしょうね。
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オリンピックの身代金 (2008/11/28) 奥田 英朗 商品詳細を見る |
おもしろかったーーー。さすが奥田英朗。
短編集を真骨頂とする奥田先生ですが、本作は500ページ以上ある超長編。
でも全く飽きません。
むしろ途中でストップするのが惜しい気がして、2日で読んでしまいました。
時は東京オリンピック直前の東京。
「東京は祝福を独り占めしている」とまで思わせる高度成長っぷりのなか、
東京と秋田、富裕層と飯場日雇労働者、そして警察と公安、
いろんなものの対比が入り混じっていて、息もつかせぬ展開です。
それにしても、当時の時代背景や組織の仕組みが分からなくても、
奥田先生の作品はすんなり理解できる。
この間読んだウランバーナもそうですね。
考証がしっかりしているのもあるでしょうが、
やはり奥田英朗の文才あってこそのものです。
細かいことはどーでもいい。単純におもしろい。それが奥田英朗なのですな。
物語は「邪魔」とかと同じように、登場人物数人がそれぞれの軸からストーリーを展開していきます。
まず事件が起こり、その謎を暴こうとする警察や須賀の物語が進み、
この物語の中核を担う島崎の物語、いわば「真相」が少し遅れて続く。
クライマックスに近づくにつれてその時間軸の差が少しずつ狭まって、、、、
あのラストには賛否両論ありますが、あたしはあれでいいと思います。
むしろ最後に島崎のパートがないのが、余韻を大きいものにしてるんだと思います。
まるで映画のような構成。
そうだね、映画化してほしいなー。サウスバウンドは評判悪かったみたいだけど。。。
そうしたら島崎は絶対に三浦春馬なのです。あたしの中で。
そろそろ奥田英朗シリーズ読破に近づいてきました。。。「無理」読まなきゃ
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ウランバーナの森 (講談社文庫) (2000/08) 奥田 英朗 商品詳細を見る |
2010年最初の奥田英朗作品♪
記念すべきデビュー作であります。
物語の前半は主人公・ジョンの便秘の悩みばかりが書き連ねてあるので、
「おいおい^^;」と多少読み進めるのを不安に思いましたが・・・。
便秘ってなんとも奥田先生らしいです。
「泳いで帰れ」にもご自身のそんな話題がそこかしこにあった気が・・・^^;
そんな心配性ストーリーも、いつの間にか心の再生物語にすり替わって行きます。
そのあたりはさすが。見事です。
ってか基本的に物語に便秘関係ないでしょ。笑
このへんのユーモアは奥田先生だから許されるのであります。
あのとき言えればよかったな、って昔を振り返るセンチさは誰にでもあって、
それが解決されたら人はもしかしたら別人になるのかもしれないね。
あたしはジョンレノンについては無知ですが、
彼の空白の数年間とその前後の作風の変化をそんな風に捉えて物語にしてしまう。
実在の人物の時間をつなぐ物語、っていう発想はさすが奥田英朗です。
本篇もそうですが、文庫本のあとがきが秀逸です。
あたしが奥田先生のエッセイが好きだからでしょうか。
ジョンレノンを知らない人も、あとがきを読めば自分で色々と解釈できます。
「ウランバーナ」って「悲しみ」って意味だそうです。サンスクリット語で。
タイトルは「ウランバーナ」だけど、
この物語に出てくる森は、「悲しみ」よりも「再生」とか「浄化」だと思うのです。
まぁ、「盂蘭盆」の元になった言葉だからいーのか。
サンスクリット語ってなんかステキね。
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旅好きです。
イタリアに住みたいです。
都内の中堅企業で3年10ヶ月を経て、2011年2月、心機一転新たなスタートです。
好きなことしか出来ない性分です。
意外とちっこいですが、たまに噛みつきますのでご注意ください。
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