用もないのに ★★★

用もないのに (2009/05) 奥田 英朗 商品詳細を見る

大好き奥田英朗エッセイです。
用もないのに北京に行き、野球を見て、大雨を浴び、お遍路まがいをさせられる直木賞作家。

この「用もないのに」ってタイトルからして逸ですよね。
って、奥田先生だとすっかりひいき目になってしまいます。

北京五輪の話は、急かされて書いたのか北京があまり琴線に触れなかったのか、
奥田エッセイで初めて「書き流したな」と思う文章でした。

軽い文体だけど、無駄がなくて整然としてるところが好きなんです、奥田節の。
それが北京ではちょっとごちゃごちゃ気味だったので残念。

NYに行く作家の話やFesのお話、お遍路いろいろ盛りだくさんですが、
奥田先生の文章って、すごく素直だなぁ、とまたしても実感。
目の前の物事にきちんと感動できるのがすごい。
そして、感動したことをきちんと表現できるってすごいと思う。
(ちょっと毒づいてるところが奥田先生の真骨頂なのであり、愛すべきところでもあります)

ホントにいい人なんだろうなーって思います。
文章ににじみ出てるもん。

ありきたりな賛美ですが、
これほどに早く次の作品が読みたい作家さんは久しぶりです。

「無理」読みたいなー。